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コールドチェーンに最適な温度データロガー

生鮮食品の輸送中、貨物が暴露した温度、そして場合によっては湿度の記録を提供する重要性がますます高まっています。今回の製品技術情報では、物流における温度/湿度の記録の背景を説明し、機器のオプションを検討します。温度/湿度データをロギングする理由、そして入手可能な機器およびその使用方法をご理解いただけます。
各セクションでは以下を検討します:
  • 温度監視の背景
  • コールドチェーン
  • コストと法的責任の問題
  • 温度と湿度の記録
  • 電子式ポータブル温度湿度データロガー
  • EudraLex/FDA準拠温度データロガー
  • OMEGAが提供する温度データロガー

温度監視の背景

多くの生産物は、室温では短時間のうちに、温度が上昇するとさらに急速に劣化します。果物、肉、魚などの食品は、冷蔵しないと遠くへ出荷することができません。場合によっては、バナナのように新鮮なままで販売される(あるいは冷凍することが難しい)農産物の場合は、13℃まで冷却すれば十分です。卵も同様な例ですが、湿度制御も必要です。他の生産物は、劣化を防ぐために冷凍することが必要です。多くの医薬製品も同様です。米国のヘルスケア流通管理協会(Healthcare Distribution Management Association)は、薬剤の約10%が温度に敏感な製品であると推定しています。ワクチンや血液製品は厳格な温度制御が必要な医療製品の別の例ですが、これらは凍結乾燥工程を経てフリーズドライ処理される場合もあります。

温度制御の必要性は、人間が消費する製品以外にも広がっています。特殊なペイントやコーティング材料の中には、低温に暴露すると劣化するものもあります。その他化学薬品も輸送中に厳格な温度限界内に保つことが必要です。

骨董品や美術品の出荷も一例です。この場合、温度と湿度が相まってカビの発生を招く可能性があるため、温度よりも湿度のほうが重要視されます。

コールドチェーン

コールドチェーンに最適な温度データデータロガー
コールドチェーンに最適なOM-21温度データロガー
生鮮食品は、出荷地から配送先、小売店または薬局まで、制御温度で保存されなければなりません。流通業界ではこれを「コールドチェーン」と呼び、「リーファー」(冷蔵コンテナ)並びに倉庫、流通センター、そして最終の保管庫または保管区域の両方に及びます。このチェーン全体に障害のリスクが存在し、貨物がたとえ短時間であっても、許容または安全な温度レベルを超える可能性が必ずあります。例えば、トラックが灼熱の砂漠の中でバッテリーが切れて停止した場合、リーファーの温度が上昇することになります。その後電源が回復してコンテナ内の温度が元に戻っても、食品は傷んでいます。

コストと法的責任の問題

上記のような貨物は規定の限界外の温度に暴露すると、損傷する可能性があります。例えば、バナナのようにそれが明らかな場合もありますが、ワクチンなどの輸送では、損傷が発生しワクチンが無効になっていてもわからない場合があります。製品の中には、たとえ短時間でも温度が上昇すると、製品の有効期間が大幅に縮小され、販売できない場合には相当なコストが発生するものもあります。

生鮮食品の出荷を委託する組織は、多くの場合、許容可能な温度範囲を指定します。ただし、製品がこれらの契約外の状況に暴露したことを示すことが可能であっても、それが発生した場所、その法的責任を証明することは非常に困難になり得ます。その対応策は、経験した温度の時間に基づいた記録を作成することです。

温度と湿度の記録

温度データロガー
OM-90 Series データロガー
最高最低温度計は1780年ごろに発明され、長年にわたって、所定の期間で観測された最高温度と最低温度を記録する唯一の手段でした。膨張媒体として水銀を採用している以外に、時間が記録されていないことが弱点でした。そのため、この種の温度計は果物の出荷貨物に含めることはできても、いつ、またはどの程度の間、ピーク温度を経験したかを知る手がかりはありませんでした。この情報がないと、損傷の責任を決定することは困難です。

湿度インジケータも同じです。さまざまな種類がありますが、そのほとんどは、何らかの変色効果を利用して、経験したピーク湿度または現在の湿度を示すだけです。最高最大温度計を使用しても、過失請求を裏付ける時間記録はありません。

電子式ポータブル温度/湿度データロガー

デジタル電子部品の発達によって、ポータブルデータレコーダーが誕生しました。電池駆動式で、新鮮食品の貨物の隣に、またはその間に設置できるように小型で、温度または湿度を記録します。毎秒のような高頻度または毎時間のような低頻度で記録を作成するように設定できます。中には18時間の間隔に設定できるものもあります。唯一の欠点は記憶できるデータポイント数であり、高頻度に設定すると短時間で容量を使い果たしてしまいます。

温度の精度は標準で±0.5°C、湿度の精度は±3.0% RHです。遅延期間後に開始するようにプログラムすることができます。回収後、パソコンに差し込み、データをExcel®またはその他のプログラムに転送して解析することができます。アラームは、上限または下限を超えた場合にLEDインジケータが点灯するように設定することができ、潜在的な問題を直ちに視認できるようになります。

EudraLex/FDA準拠温度データロガー

温度データロガー
OM-CP-LYOTEMP データロガー
CFR 21に基づき、米国食品医薬品局(FDA)は、薬剤が適切な温度で保管されることを義務付けています。データロガーを使用すると、この基準に準拠していることを実証することができ、21 CFR Pt.11の下で電子記録の提出が認められています。(EUでは、EudraLex Volume 4、Annex 11)。FDAは、生物由来原料に適用される場合、凍結乾燥中にも温度監視が実行されることも求めています。

OMEGAが提供する温度データロガー

OMEGAは、様々な用途目的の温度/湿度データロガーを多数提供しています。コンパクトなOM-90シリーズは温度が-30~80°C、湿度が0~100% RHの範囲に対応し、65,000件の測定値を記録できます。

OM-CP-EGGTEMPシリーズは、卵の輸送監視専用であり、出荷中のパッケージに簡単に入れられるように卵の形をしています。0~60℃の温度範囲、0~95%RHの湿度で動作します。32,000件以上の測定値をメモリに保存できます。

凍結乾燥工程ではかなりの低温が求められるため、OM-CP-LYOTEMPは-60~75℃の動作範囲に設計されています。このデータロガーは、USBドッキングステーションを介してパソコンに接続します。専用ソフトウェアには、平均運動温度記録などの機能が含まれています。

保管のために複数の冷凍庫が使用される場合など、複数のデータセットが必要な場合は、OMEGAの4チャンネルOM-DVT4を利用できます。3つの外部プローブに加えて内部センサからの入力を受信し、LCDディスプレイには、4つの温度全てに加えて、アラームステータス、メモリ残量、サンプルステータス、その他の設定も表示されます。

コールドチェーンの温度監視のもう一つの手段は、使い捨て温度レコーダーです。OMEGAは、OM-CP-TRANSITEMP-ECおよびOM-21データロガーを提供しています。コンパクトかつ低コストであり、出荷地で貨物といっしょに積載し、最終配送先で回収します。動作範囲は-20~70°C(OM-21の場合は-30ºC)であり、上記のデータロガーと同様、収集したデータは簡単にパソコンに転送して確認することができます(OM-21は実際にデータをpdfフォーマットで作成し、USBフラッシュドライブのように機能します)。
温度データロガーOM-CP-EGGTEMP
OM-CP-EGGTEMP データロガー
温度データロガーOM-DVT4
OM-DVT4 データロガー
 
温度データロガー OM-CP-TRANSITEMP-EC
OM-CP-TRANSITEMP-ECデータロガー

まとめ

ワクチンや化学薬品から卵や美術品まで、多種多様な製品は、制御された環境条件下で出荷する必要があります。ポータブル温度/湿度ロガーは、運搬中に発生した状況にタイムスタンプを付けて記録し、損失または損傷に対する賠償を請求する場合に貴重な証拠源となります。

製薬分野では、FDA規制によって薬剤が適正な温度で保管されることが求められ、凍結乾燥は制御された条件下で実施されなければなりません。温度と湿度のログ記録は、規制に準拠したという証拠を提供し、正しく実施された場合にはFDAの電子レコード記録の要件を満たします。

最新世代の温度湿度ロガーはコンパクトかつ低コストであり、出荷または運送パッケージに簡単に含めることができます。精度は標準で0.5℃以内、電池は長寿命です。このような技術により、温度ロギング分野は急激に成長し、サプライチェーンや人々の健康維持を目的とする製品の安全性の保証に役立っています。

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データロガー
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