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適切な温度伝送器の選択方法

温度伝送器 (温度トランスミッタ) のメリット

温度伝送器の選択 誤った、あるいは信頼性の低い温度信号は、非常に不経済な結果を招きます。炉の温度が低すぎると考えるプロセス作業員は、温度を上げて、内部の高額製品に損傷を与えるかも知れません。逆に、実際には存在しない問題を回避するために、制御室の監督者が、生産ラインを停止するかも知れません。

熱電対やRTDからの微弱な電圧信号が電気ノイズに干渉されるとき、このような問題が生じます。一つの解決方法は、温度伝送器を測定ポイントに近づけ、より強い信号を送ることです。 以下に温度伝送器を使用することの利点と、利用可能なオプションについて考察します。各セクションの内容は以下のとおりです
  • 温度信号の劣化
  • 温度伝送器の概要
  • 温度伝送器を使用することの利点
  • 温度伝送器ののタイプと選択

温度信号の劣化

ゼーベック効果とは、異なるワイヤを接合した場合、その接合部の温度が異なると電圧を生成することです。熱電対の基本として、この微弱な信号(通常、1度あたり数マイクロボルト)を使用して温度を示します。同様に、RTDも微弱な信号を発します。これらの低電圧は、電磁波障害 (EMI)や無線周波数干渉 (RFI)の影響を受けやすくなります。

化学処理加工プラント、工場、そして発電所などは、EMI/RFIを発生する機器が多数存在します。大型モータ、可変周波数ドライブ、変圧器、そして特に溶接機、リレー、ソレノイドなどのスイッチング装置はすべて空中に電気信号を放射します。熱電対やRTDの信号を送信するために使用する細いワイヤは、アンテナのようにこれらの放射を拾って伝送します。温度信号が長距離を移動する場合(大規模処理プラントなどに多い)、信号が劣化する恐れが高まります。

温度伝送器とは

温度伝送器は、基本的に増幅器であり、信号をフィルタリング、調整、そして増幅し、温度を読み取る場所で信号を受信しやすくします。熱電対またはRTDのワイヤは、直接トランスミッタに接続され、入力信号を4~20 mAの出力信号、0~10 Vdcの電圧、またはRS232、RS485、そしてModbus®などのデジタル出力に変換します。これらの出力は、ツイストペア線を介して、温度の表示や記録が必要な場所に送られます。

温度伝送器は多様なタイプが存在し、精巧さの程度に応じて、小型のDINレールマウントタイプから、プログラム式、そして診断機能を備える”ワイヤレス”デバイスまで様々です

温度伝送器を使用するメリット

歴史的に、温度センサは、ディスプレイやデータ記録機器に直接接続することが一般的でした。しかし徐々に、エンジニアは、温度伝送器を使用することの利点に気づいています。温度伝送器には、以下のような利点があります:
  • 信号品質が、特に長距離の場合に向上します。シールドツイストペア線を使用することで、より高いEMI耐性を得ることができます。
  • 出力が標準化されます。直接接続配線からの出力と異なり、4~20 mAの信号が、ほとんどのデータ収集、記録、および表示システムと互換性があるので、ハードウェアの標準化が可能です。
  • 精度が向上します。ミリアンペア出力をセンサのレンジの一部に振幅制限することで、分解能を高め、より高い精度を実現できます。さらに、伝送器によっては熱電対のドリフトを検出し、問題が生じる前にアラートを発します。
  • 配線が安価。熱電対の延長ワイヤは、通常、デバイス自身と同じ材料なので、標準的なツイストペア線と比較して、より高価で脆弱です。ツイストペアは、”引き回し”やすく、1フィートあたりの価格も安いので、長距離の場合はコストを大幅に節約できます。
  • 保守が容易。ツイストペア線は過酷な環境に強く、ケーブル破損や短絡が発生しにくく、発生した場合も容易に検出できます。”無線ロガー”は診断情報を送信できるので、技術者が配線をトレースして故障を見つける前に、問題に気づきます。
  • 改造やアップグレードがフレキシブル。温度トランスミッタを設置した後、プロセスの変更や、別の熱電対が必要になった場合、センサを交換するだけで済みます。逆に言えば、既存の直接接続を利用してトランスミッタを設置できます(ただしEMI 耐性は低下します)。

温度伝送器のタイプと選択

温度伝送器は、考えられるすべての用途に利用できます。信頼性の高いアナログ信号だけを送信する安価なデバイスから、異常な動作状態に対してアラートを発する”スマート”トランスミッタに至るまで様々です。物理形状としては、温度シースに直接取り付けるヘッドマウント伝送器から、コントロールキャビネットに収容するDINレール設置型温度伝送器まであります

TXDIN1600などのトランスミッタは、DINレール設置が可能で、コントロールキャビネットに簡単に収容できます。キャビネットを開けずに制御装置にアクセスする必要がある場合、パネルマウント伝送器タイプを購入できます。

OMEGA TXDIN1600のような、プログラム式温度伝送器の場合、汎用Pt100、熱電対、mV、mA入力に対応し、ユーザに対して、標準的な2線式4~20 mA出力信号を提供します。入力と出力間に絶縁が提供され、すべての温度範囲で温度に対して線形応答します。使いやすい設計になっており、当社最新のUSBインターフェースにより、迅速かつ簡単な設定が可能です。

EMIが想定される環境で、信号の完全性が重要な場合、OMEGA TX1500シリーズなどの絶縁分離能力の高い温度伝送器をぜひ候補にしてください。4~20 mA信号配線を介して直接給電されるので、グラウンドループや電気障害から保護されます。本製品は、現場設置の伝送器の配線が数百フィートに延び、強力なEMIにさらされる発電用途に適しています。高い絶縁能力が必要な場合、EMC両立性について、IEC 61326規格に適合する製品を探してください。

防爆性と耐候性の伝送器を入手できます。水の侵入耐性についてはNEMA 定格を、危険性や爆発性環境についてはFM認証を探してください。
汎用DINレール伝送器
汎用DINレール伝送器
厳しい環境で使用する温度伝送器
厳しい環境で使用する温度伝送器
無線温度ロガー
無線温度ロガー
 
温度伝送器を選択する場合、以下を考慮することが重要です:
  • 取付位置。ヘッドマウント、屋外、あるいは危険な場所ですか?
  • 信号の完全性(品質)。測定誤差がコスト増大につながる場合、絶縁能力の高い伝送器 (トランスミッタ) を選択してください。
  • プログラムの必要性。設定点やスケーリングが重要な場合、プログラム式の伝送器 (トランスミッタ) を選択してください。
  • ”ワイヤレス”機能の必要性。このような温度ロガーは、異常な状態においてアラートを発し、診断情報を提供することで保守を迅速化します。

温度伝送器で考慮する事項

温度伝送器は、熱電対やRTDの直接接続と比較して、いくつかの利点があります。信号の高い完全性に加え(EMI耐性が高い)、設置コストならびに保守コストを節約できます。

温度伝送器は、長いケーブルを必要とする現場設置において特に有用で、ツイストペア線がコストを節約すると同時に、高レベルのEMI保護を実現します。

温度伝送器は、ヘッドマウントからDINレール、そしてパネルマウントまで、様々なタイプを入手できます。プログラム式および”スマート”伝送器は、測定精度を向上させ、診断情報とアラートを提供します。


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