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電気ノイズについて

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開放空間テストサイトの例:3〜10mの試験用

計装におけるフェライトコアの使用法

OMEGA のニッケル - 亜鉛フェライトコア内蔵型熱電対と RTD 用コネクタは、EMI(電磁障害)の抑制が必要なところに使われます。計装制御分野では、EMI の抑制は非常に大きな問題となっています。電子データのほか、熱電対、サーミスタ、RTD などのトランスデューサからの信号を伝送するときには、特に重要です。これはリード線、延長線、信号線がアンテナとして動作するからです。OMEGA では当社の OMEGA フェライトコネクタの新製品群にニッケル - 亜鉛フェライトのファミリーを用意しました。これを使えば「アンテナ効果」を減らし、計装制御系への望ましくないノイズの侵入を減らすことができます。

フェライトコネクタ

フェライトコアの効果は使用材料や、コアの巻き線の回数、線の全長などで決まります。ここに紹介するOMEGAのフェライトコネクタは一般用途向けに開発されたものです。フェライトコアの追加使用や特別なフェライト材料の選択も大幅なEMI減少になります。OMEGA のフェライトコネクタは一般用途向けに開発されていますので、EMI抑制効果はアプリケーションによって差が出ます。OMEGAの標準フェライトコネクタでは、処理できない範囲の製品に関してはカスタマサービスにご相談ください。
※内蔵フェライトコアは、オス型ミニコネクタ、標準サイズのオス型、メス型コネクタの形式で販売しています。

電磁両立性 Electro-Magnetic Compatibility (EMC)

電磁両立性 (EMC) は、一部の人には耳新しい用語かもしれませんが、第2次世界大戦の頃から長年に渡り重要事項でした。ここ数十年間、EMC のために、3つの団体が活動しています。米軍、欧州の無線干渉に関する特別国際委員会 (CISPR) と米国の連邦通信委員会 (FCC) です。

歴史

最初は軍事的環境、特に多種類の電子機器が狭い場所で正しく動作しなければならない艦船での問題でした。そんな強い無線周波数 (高周波)が飛び交う環境でも、通 信、ナビゲーション、データ処理などが同時に機能する必要があります。この電磁波は双方向通信やマイクロプロセッサなどを使っている機器から発生します。 これに加えて、軍艦には大砲や爆薬それに航空燃料も積み込まれています。このような環境では、各機器が電磁波に対する耐性を保有し正常に機能することが求められ、安全を脅かすことがあってはなりません。 また、この環境に新しく追加される機器は、有害な電磁波を出さないようにしなければなりません。以上から分るように、EMCの2大項目は、有害な電磁波を放出しない、また、それに対して耐性があることです。非軍事部門でも電子機器が世界的に普及したことで、民生機器にも EMC が必要になっています。住宅や商業施設でも、マ イクロプロセッサで制御される、電子レンジ、ビデオカセットレコーダ、テレビ、製パン機、PCなどの電子機器が多数あるのが普通になっています。これらは全て電磁波を発生するマイクロプロセッサ技術を使っています。例えば、100MHz のコンピュータにはマイクロプロセッサの演算速度を設定するクロックが入っています。この例では、このクロック周波数はアメリカではちょうどFM放送の周波数にあたります。もしパソコンメーカーが事前に対処していなければ身近のラジオの受信に障害が出ていたかもしれません。さらに、この周波数の倍音や高調波が、救急隊員の無線受信器やテレビなどにも干渉を起こす可能性があります。従って、製品が電磁両立性を持ち、他の電子機器から干渉を受けないだけでなく、他の電子機器の障害にならないようにするのが、デジタル電子機器メーカーの義務となっています。

EMCと米国

機器が増加してきたので、FCC(米国で司法権を持っている) は70年代にデジタル機器からの高周波の漏れに対する規制を策定しました。住宅環境で使われるデジタル機器はClass Bに分類されています。すべてのClass Bに該当する機器は、放射・伝導による放出に関するFCC 規則15 項の制限に適合しなければければなりません。米国で販売されるClass B の機器はFCC規則の要件に適合していなければなりません。現在は耐性試験に関して米国の要件はありません。米国の工業、科学及び医療分野市場向けの製品は、現時点ではこの規制から除外されています。これらの機器はClass A として分類され、住環境では使用できません。

EMCとEU

EU 内で販売される製品は、該当する全ての欧州統一規格に適合しているという製造者の宣言であるCE マークが付いていなければなりません。電子機器はEMC 指令89/392/EEC に該当します。この文書の第4章は次のように定めています。機器は以下の要件を満たすように作られていなければならない。
a: 発生するEMC障害は、ラジオや遠隔通信設備や他の機器の所定の動作を妨げない範囲であること。
b: 機器は所定の動作が可能になるように、適切なレベルのEMC耐性を持たなければならない。
欧州のEMC指令の要件に適合するには、電磁波の放出と電磁波への耐性の両方を評価する必要があります。ここで注意しなければならない事は、商業や軽工業や重工業の環境で使用される製品は、適合が除外されていないことです。本質的耐性の要件は、電子機器が通常の電磁環境下では、その性能が影響を受けないように製作されていることを要求しています。例えば、欧州の消費者は、救急隊員が双方向無線で出動指令担当者と近所で話しても、自宅のデジタル式セキュリティシステムが誤動作しない事を期待する権利を有しています。指令は、製造者が放射電波だけではなくその他の電磁現象に対する耐性を持つよう製品を設計することを意味しています。耐性試験の詳細は一般的および製品個別の欧州規格別に列挙されています。最低限意味するところは、機器の性能は以下のものに大きく影響を受けないことです。
(1) ラジオ、テレビや承認済み双方向無線機器による電波
(2) 静電気の放電(ESD)
(3) 高速過渡現象現実世界の状況を再現した製品耐性の試験により、EMC指令の第4条(b) 項に適合していることを製造者が証明することを認めています。さらに個別の標準や1997年の一般的耐性に関する標準による追加の耐性試験が必要です。この追加耐性試験には次のものが含まれます: 導電高周波耐性、サージ耐性、電源周波数磁場耐性、電圧ディップ/ 中断耐性、パルス RF フィールド耐性。

CE適合

EMC 指令の基本要件への適合性は製造者またはその代理者によって宣言されなければなりません。この宣言はDOC (Declaration ofConformity)と呼ばれる書類で、その製品の適合性を証明する技術的証拠を取得し維持する責任は製造者にあります。この証拠は、EU で販売される製品ごとに、TCF (TechnicalConstruction File) にまとめられます。適合の証明(試験)は製造者または第三者試験機関が行います。すべての試験は国際IECの試験標準に基づき行われます。試験を行った研究室で作成された、試験報告書などのEMC試験結は、TCFに保管する必要があります。特定品に対する個別基準、または、その代りとなる一般基準の要件に適合する製品は、EMC 指令の基本要件に適合するものとみなされます。EMC 指令に加えて、電子機器には他の指令も適用されることがあります。適用されるすべての指令への適合性は、証明され文書化されなければなりません。すべての要件に適合してはじめてCEマークを貼ることができます。製品が欧州市場で販売されてから10年間は、証明技術文書はファイルされ、EUの委任を受けた代行者が閲覧できなければなりません。

利点

EUのEMC指令への適合は、より壊れにくい製品や、品質改善、顧客満足度の改善につながります。例えば、ESD(静電気放電)耐性試験は、製品の弱点をあぶり出し、現実世界で起こり得る事象に対する耐性の改善を促します。その結果は、何年もトラブルフリーで動く信頼性高い製品の実現がなされ、顧客満足度が改善します。

ローノイズ熱電対システム

OMEGA の独創的なローノイズ熱電対システムは、周囲の電気的ノイズの影響を削減するので、正確で安定した温度測定が可能になります。この安価で便利なシステムは、精密で安定した測定が必要な回路や設備の温度測定に使用されています。この方式はノイズ除去の標準として産業界全般で使われています。このローノイズ熱電対システムは、プローブ、コネクター、熱電対ワイヤの3つの部品で構成されています。各部品は独自のノイズ防止機能を持っていますが、全体でノイズの放散径路を形成します。このシステムは汎用の 2端子コネクタを使い、ノイズ信号を分離し、温度測定回路の精度を保護しています。

電気的ノイズを排除

電気的ノイズは通常、動力機械や、回転機械、ラインコンベヤ、モバイル機器、溶接機、洗濯機、乾燥機などで発生し、妨害信号を出して高感度の温度測定を不安定にします。シース熱電対から温度測定器本体に達する特別な接地方式によりノイズの影響は、ほとんど除去されています。これにより、データ測定、データ収集、コンピュータインターフェースがより確実になり、精密な温度コントロールが可能になります。バランスのよいシステム部品熱電対システムを構成するプローブ、コネクタ、ワイヤ の3個の部品は、バランスの良いデザインになっていて簡単に組み立てられます。プローブとコネクタには標準サイズとミニサイズがあります。
(1) 熱電対のプローブは握り易く、測定対象物が見やすい形状になっています。プローブ部分は多くのアプリケーションに対応するために、交換できるようになっ ています。プローブのシース(保護用の管)は内側で接地されています。
(2) プローブと熱電対ワイヤを接続するコネクタは標準的な2端子型の簡単に着脱可能なタイプです (ミニサイズ・標準サイズ )。コネクタについている外側の金属製グランドストラップはノイズ除去回路の一部ですが、コネクタの補強にもなっています。
(3) 熱電対のツイストシールド線には1体型ドレン線が入っており、プローブアセンブリと測定器間のノイズ接地リンクになっています。

使い易いデザイン

30度に曲げたプローブアセンブリの形状は OMEGA 独自のデザインで、使い易く、測定対象物が見やすいように工夫されています (図2参照)。プローブアセンブリは熱電対材料が分かるように色で分類されています。プローブのシースの径と長さは、自由に選択できます。プローブの長さは 6 インチ、12 インチ18 イン チ、24 イン チ で、 直径は0.04インチから 0.25 インチまであります。プローブのシースは SUS304 製またはインコネル製です。
プローブと熱電対の素線の接地は、コネクタ外側のグランドストラップで繫がっています。プローブアセンブリは有極コネクターピンでクイックコネクタになっており、簡単に脱着できます。コネクタには取り外し可能な書き込みパッドがついており、各熱電対アセンブリの用途を表示することができます。

問題の解決法

温度測定中にはどんな電気的ノイズ源が現れるか予測がつかないのが普通です。温度測定は、ノイズが多い環境で行われるのが普通です。研究室でプロセスの温度制御が精密に行われている場合、電気的ノイズが、ミキサ、オーブン、ヒータエレメント、電源などから発生し問題になる可能性があります。精密な温度測定には、ノイズ信号の接地が必須です。この熱電対システムでは不安定化要因であるノイズ信号を接地しています。自動はんだ装置では、はんだ溶接が適正に行われ、プリント基板上の部品を損傷しないよう、ソルダーバスの温度を精密に管理する必要があります。測温システムはモーターや溶接装置などのノイズ発生源の近くにあるのが普通です。このシ ステムでは独自のノイズ接地回路で発生したノイズを除去しています。環境管理、空調設備、熱処理工程、鋳造工場などのノイズが大きい場所で、正確で安定した温度制御を行うためには、温度測定中のノイズ対策が必要です。OMEGAの熱電対システムは、 悪影響が出ないようにノイズを分離してグランドに流すので、安定した測定が可能になります。工場、移動体、野外、研究室などのノイズレベルの高い環境では、この使い易く、組み立てが簡単なシステムが適しています。

電磁干渉防止:ツイストシールド(補償導線)について

夏のある暑い日、フィラデルフィア郊外の工場で、大型空調設備の工事業者が作業の結果を確認するために温度を測定しようとしていました。全面再構築された空調システムの一部で、シース熱電対をできたばかりの空調ダクトに差し込んだところ、異常な温度が検出されました。空調工事のクルーは周囲温度 32℃をかなり下回る温度を期待していたのですが、チャートはレンジをオーバーしてしまい、温度計の LED 表示は 999.9 が点滅していました。経験のあるエンジニアが、熱電対の配線が空調機のコンプレッサモータの近くを通っている事に気付きました。プローブが感知した温度を、温度計が表示していないのです。コンプレッサからの電磁干渉がシールドされていない熱電対の素線に、大きなノイズを発生させて測定値を狂わしたのです。多くのモータは電磁干渉(EMI)や電波障害(RFI)として知られているノイズを発生します。他の電気機器も多かれ少なかれ、同様にノイズを発生します。家の中でもEMIの発生源は、調光スイッチ (耳障りなうなり音)、古い扇風機、ランニングマシンなどの健康器具、電子レンジ (初期の電子レンジの電磁波の漏れは心臓ペースメーカーを装着している人に危険が及ぶ可能性があったが、現在は漏れとシールド線に対する政府の厳しい規制もあり、ペースメーカーへの心配はほとんどなくなっている)などいろいろあります。工場現場では、スパークが発生するスポット溶接機、アーク溶接機、誘導圧接機などの他にも数値制御 (CNC) 型の旋盤やフライス盤など大きなモーターで動いている機械、高輝度照明、リレー、トランシーバなども大きなEMIを発生します。
沢山ある携帯電話については、発生するエネルギーが小さいので、フィラデルフィアの工場で使われていたような温度計装システムにはほとんど影響しません。どうすれば先ほどの誤った測定を防ぐことができたのでしょうか。最初にやるべき最も安い EMI対策は熱電対の素線にツイストシールド線を使用する事です。オメガエンジニアリングの駐在EMI対策班のFrankWelsh氏は、「温度計のリード線は、防護してなければアンテナのように働くので、ツイストシールド線は、最初に取るべき対策です。」また「シース熱電対は EMI ではなく温度を感知するように設計されています。問題は熱電対回路が外部のノイズ信号を拾い測定器に送ることです。」と述べています。ニュージャージー州ブリッジポートのオメガの工場には、厚い壁と数千個の角錐型スポンジバッフルで覆われた壁のなかの気味が悪いほど静かな電波暗室があります。バッフルが電磁波を吸収するので、熱電対や圧力変換器などのオメガ製機器の厳密な試験が行われています。
ブリッジポート工場では、熱電対用のツイストシールド線を量産しています。熱電対配線の全体がノイズを収集するアンテナになっていたものを、センサ先端以外を全てシールドすることにより、ノイズが防止できます。極端な場合では、プローブ自体にもシールドが必要になりますが、測定時間がミリ秒から秒の単位まで増える事になります。オメガの専門家によれば温度計の熱電対線にツイストシールド線を使うと EMIは500分の1から1000分の1に下がります。ほとんどの用途で問題が解決します。 「予防的対策として使うにしても、すでにあるノイズの対策として使うにしても、ツイストシールド線は低コストで現場で対策可能なソリューションです。」とブリッジポート工場の Jim Ferguson 工場長は述べています。